
不動産を売却して新しい住まいを購入するとき、多くの方が心配するのが「税金」です。
特にマイホームを売却したときに発生する「譲渡所得税」は金額が大きく、場合によっては数百万円に達することもあります。
そんなときに役立つ制度が「買い替え特例(居住用財産の買換え特例)」です。
この記事では、2025年時点で適用できる買い替え特例について、条件・メリット・デメリット・申請方法をわかりやすく解説します。不動産の売却や買い替えを検討している方はぜひ参考にしてください。
買い替え特例とは?
「買い替え特例」とは、自宅を売却して新しいマイホームを購入した場合に、売却で得た譲渡益(利益)にかかる税金を将来に繰り延べできる制度です。簡単にいうと、すぐに税金を払わずに済む仕組みです。
例えば、3,000万円で購入したマイホームを5,000万円で売却した場合、差額の2,000万円が課税対象となります。しかし、売却と同時に新しい住宅を購入し、要件を満たせば、その税金を今すぐ支払わなくてもよくなるのです。
ただし、「免除」ではなくあくまで「繰り延べ」であることが大きなポイントです。将来その不動産を売却する際に、繰り延べていた課税分をまとめて精算する必要があります。
買い替え特例の主な適用条件
買い替え特例を受けるには、以下の条件を満たす必要があります。
1. 居住用財産であること
- 売却する不動産が「居住用」であることが必須です。
→事業用や投資用の不動産は対象外です。
2. 売却金額と購入金額の要件
- 売却金額よりも高い金額で新しい住宅を購入する必要があります。
→新居の購入額が売却額より低い場合、差額部分については課税対象になります。
3. 売却と購入の期間制限
- 売却した年の前年1月1日から翌年12月31日までに新居を購入する必要があります。
4. 居住の実態
- 実際に住んでいた住宅であること。
- 過去に数年間居住していた実績が必要です。
買い替え特例のメリット
大きな節税効果
高額物件を売却する場合、譲渡所得税が数百万円単位になることもあります。買い替え特例を利用することで、この支払いを繰り延べでき、実質的に大きな節税効果を得られます。
自己資金を有効活用できる
本来は税金として支払う予定の資金を、新しい住宅の購入やリフォーム費用に充てることができます。資金計画に余裕が生まれる点は大きなメリットです。
次の住まいへスムーズに移行できる
住宅の買い替えは人生の大きなイベントです。税金の負担を先送りすることで、より理想的な住まい選びが可能になります。
買い替え特例のデメリット・注意点
税金が免除されるわけではない
「繰り延べ」であるため、将来売却する際にはまとめて課税されます。結果的に、次の売却時に大きな税金が発生する可能性があります。
適用条件を満たさないと無効
要件をひとつでも満たしていないと特例は適用されません。特に期間要件や購入金額の要件は注意が必要です。
確定申告が必須
自動的に適用されるわけではなく、確定申告で特例の適用を申請しなければなりません。申告漏れがあると大きな損につながります。
買い替え特例と3,000万円特別控除の違い
マイホームを売却した場合、「3,000万円特別控除」という制度もあります。これは売却益から最大3,000万円までを控除できる制度です。
- 3,000万円特別控除 → 利益を最大3,000万円まで非課税にできる。
- 買い替え特例 → 利益に対する課税を繰り延べできる。
この2つは原則として併用できません。そのため、自分にとってどちらが有利かを事前にシミュレーションすることが重要です。
買い替え特例を使う流れ
- 不動産の売却契約を締結する
- 期間内に新居を購入する
- 確定申告で「買い替え特例の適用」を申請
- 必要書類を提出(登記事項証明書、売買契約書、住民票など)
税務署や税理士に相談しながら、抜け漏れのないよう準備を進めましょう。
まとめ
不動産の買い替え特例は、マイホームを売却して新しい住まいを購入する際に大きな節税効果をもたらす制度です。ただし「繰り延べ」であり、将来の売却時に課税されることを理解しておく必要があります。
- 条件を満たさないと適用できない
- 3,000万円特別控除との比較が必要
- 確定申告での手続きが必須
これらを踏まえたうえで、税理士や不動産会社に相談しながら進めるのが安心です。
賢く制度を活用し、スムーズな住み替えを実現しましょう。